4月から職場が変わった。その歓迎会の翌日、重い頭を引きずって河口に向かった。
釣り人が数人いたが、釣れているようには見えなかった。
実際、初めの1時間は私も周りも1尾も釣れなかった。
水の色は良かったので、釣れそうなんだけどなあと考えていた矢先に、足元で魚が食いついた。あまり苦労なく寄ってきたアメマスは40半ばくらいの大きさだった。
その後、2尾目の魚はなかなか出なかった。二日酔いで体調も良くなかったので、帰ろうかとも何度か思った。けれど、さっき釣れた魚を写真を撮る前に逃がしてしまったので、HP更新用にもう一尾くらい釣っておきたいと思って少し粘っていた。
昼を過ぎ、食料も持ってきてなかったのでそろそろ限界かなと思った頃、ドスンとでかい魚がヒットした。
時折ジー―っとドラグを出し、首を振ってフックを外そうとする感触から、なかなかの大物であることがわかる。とたんに緊張してくる。
こういう時は、あせらず、弱らせることが大切だ。何度かドラグを出す走りを絶えていると、魚はだんだん弱って来たのか寄ってきた。
ネットに入れるかずり上げるが一瞬迷ったけれど、ずり上げの方が安全だと判断して岸に上げた。
フックを外しているとフライマンが見に来たので、魚を持っている所の写真を撮ってもらった。
「70cmありそうですね。」
「いやあ、ないでしょう。」
「測りますね。」
と親切に計測してくれた魚のサイズは69cmあった。
その後しばらく竿を振ったが、あたりもないので釣りをやめた。
大きいアメマスは久しぶりだなと思ったが、久しぶりも何もアメマスを釣りに行く回数が以前に比べ格段に減っているのだもの、そりゃ久しぶりだよな。

帰りは寳龍に寄った。