森でキャンプをしたトキナーの11-16mmf2.8というレンズを買ったので、それで星を撮りに行った。
金曜日、仕事終わりにそのまま、山へ向かった。
しっかりと場所を決めていたわけではない。
人がおらず、車が通らず、街の灯りが届かず、空が開けて、焚火のできる河原のある場所。なおかつ、車からそれ程歩かなくてよい場所。それがキャンプ地の候補だった。
そんな都合の良い森が、北海道にはわりとある。
もちろん、トイレも水場も電気も屋根もないけれど。
少し薄暗くなりかけたころ、森に着き、まずテントを張った。
そのあと、焚き木になりそうな枝を集め、焚火を起こした。

ただのインスタントラーメンも焚火で作ると美味く感じる。
焚火でラーメンを作り、ラーメンとソーセージとビールとウイスキーで夕飯を済ませた。
少し仮眠をとり、夜中にテントを出ると星空が広がっていた。
こんな山奥なので、もっと星が広がっていても良いと思った。少し薄く雲が出ていたのか、それとも大気がすこし濁っていたのかもしれない。
この日はみずがめ座流星群だとのことだったが、はっきりした流れ星は4つ5つほどしか確認できなかった。
翌朝はアカハラやミソサザイなどの騒々しい鳴き声で起こされた。コーヒーを一杯飲み、災害備蓄で賞味期限が過ぎてしまったフリーズドライの五目御飯で朝飯を済ませた。

あまり好きな味ではなかった。
ある場所でヒガシニホントカゲを2匹見つけた。
ニホントカゲは小さい頃、当時住んでいた東京にも割と生息していて、団地の駐車場わきに積んであった大きめの石やコンクリートをめくると見つけることができた。
ここ十勝で目にすることは殆どなかったが、随分前に見つけたのも、今回のような場所だった。そこは、近くに温泉が湧き出てて、岩盤がほんのりと温かいのだ。変温動物の彼らにとって、こうした場所はありがたいのだろう。岩盤浴とは贅沢なトカゲだ。
アリが近づいて来て、鼻の穴にアリの大あごが入った瞬間を捉えた連続写真↑
帰り道、車の窓をあけて鳥を探しながらゆっくりと山道を走らせていると、クマゲラの声が聞こえた。
車を停めて、森を透かして見ると、木々の間に黒い大きな鳥が飛ぶのが見えた。クマゲラだ!
ゆっくりと近づき、木に隠れながら撮影をした。
幾つかの木々を飛び渡るクマゲラを追跡すると、巣穴を見つけた。
巣穴に入ったクマゲラが中で木をつつく音がする。巣穴を作っているのだ。
近くでクマゲラの写真を撮ることができたのは初めてだったので嬉しかった。
無事に卵を産み、ヒナが成長することを願って、その場所を後にした。